サイバーリスクの考え方について
2026年11月04日
サイバーリスクの考え方について~中小企業だからこそ考えておきたい、万が一への備え~
昨今、サイバー攻撃や個人情報漏洩に関するニュースを目にする機会が増えています。
突然システムの脆弱性が政府から公表され、多くのホームページやサービスが一時的に利用できなくなるなど、インターネットが私たちの生活や企業活動に欠かせないものであることを、改めて実感させられます。こうした状況の中、お客様から「中小企業はサイバーリスクをどのように考えればよいのでしょうか?」とご相談いただくことがあります。
私は、大きく分けて二つのリスクがあると考えています。
一つ目は、自社が被害を受けるリスクです。
サイバー攻撃によってシステムが停止し、通常の業務ができなくなる。顧客情報や取引情報が流出する。あるいは、大切なデータが暗号化され、利用できなくなる。
こうした直接的な被害はもちろんですが、実際に被害に遭ったとき、何から手をつければよいのか分からないという問題もあります。原因の調査、システムの復旧、取引先への説明、場合によっては関係機関への報告など、通常業務とは異なる対応が一度に求められることになります。
二つ目は、自社が第三者への攻撃の足掛かりとなってしまうリスクです。
いわゆる「踏み台」と呼ばれるものです。
セキュリティ対策が比較的強固な大企業や官公庁などを直接攻撃するのではなく、取引関係にある中小企業を経由して侵入を試みるケースがあります。この場合、自社が被害者であると同時に、取引先などに被害を及ぼしてしまう可能性もあります。状況によっては、取引先から損害賠償を求められることも考えられます。
サイバー攻撃による経済的損失は、システムの復旧費用だけではありません。
- 被害原因や影響範囲を調査するデジタルフォレンジック費用
- システム停止に伴う休業損失
- 情報漏洩に伴う対応費用
- 取引先などへの損害賠償
- 信用低下による取引への影響
こうした損失は、企業規模にかかわらず、決して他人事ではありません。
もちろん、日頃からセキュリティ対策を講じ、被害を未然に防ぐことが何より大切です。
しかし、どれだけ対策を講じても、サイバーリスクを完全になくすことは難しいのが現実です。
だからこそ、「被害に遭わないための対策」に加えて、「被害に遭ったときの対策」も考えておく必要があるのではないでしょうか。
その一つが、BCP(事業継続計画)の策定であり、もう一つがサイバー保険の活用です。
近年のサイバー保険には、単に損害を金銭的に補償するだけでなく、事故発生時の相談窓口や専門事業者の紹介など、初動対応を支援するサービスが付帯されている商品もあります。
万が一のときに、「あ、サイバー保険に入っていたから、まずはここに相談しよう」
そう思える窓口があるだけでも、未知のリスクに直面した際の大きな支えになるのではないでしょうか。
私は、こうした点にこそ、サイバー保険の大きな意義があると考えています。
「うちの会社は狙われないだろう」
そう考えるのではなく、企業規模や業種を問わず、サイバーリスクにさらされる可能性があるという認識を持つことが大切です。
まずは、自社にどのようなリスクがあるのか、万が一のときにどのような対応が必要になるのか。
その確認から始めてみてはいかがでしょうか。
保険への加入を前提とするのではなく、まずはリスクを知ること。それが、企業を守る第一歩になると考えています。



